早く、早く、と急ぐ心

Breath|呼吸のこと

― せっかちな日こそ、呼吸に戻る ―

気づくと、急いでいる。

誰かの返事を待ちながら。
信号が変わるのを待ちながら。
身体が思うように動かないときでさえも。

「もっと早く!」
「なんでこんなに遅いの?」

そんな言葉が、心の奥で静かに繰り返されてしまう。


せっかちは、悪いこと?

せっかちは、悪者にされがちです。
けれど本当は、前に進みたい気持ちの裏返しでもあります。

良くなりたい。
うまくなりたい。
もっと自由に動きたい。

それだけ真剣で、ちゃんと向き合っているということ。

ただ、その熱が強くなりすぎると、
いつのまにか“いらいら”に変わってしまうますよね。


いらいらは、放っておいていいものではない

いらいらは、「思い通りにならない」ときに生まれるのではないでしょうか。

けれど、その感情をそのまま外に出してしまうと、
空気はすぐに変わります。

言葉が少し強くなったり、
態度がわずかに荒くなったり、
自分では気づかないうちに、周りまで急がせてしまう。

感情が起こるのは自然なこと。
でも、自然だからといって、そのまま流されていいわけではないですよね。


感情と、どう距離をとるか

ヨガが教えてくれるのは、
感情をなくすことではなく、“気づくこと”。

「あ、いま急いでいるな」
「少し強くなっているな」

そう気づけた瞬間に、
ほんのわずかな“間”が生まれます。

その隙間に、呼吸を入れる。

吸って、ゆっくり吐く。

それだけで、
反応ではなく、選択ができるようになるはずです。


早く変わろうとしなくていい

身体も心も、急がせるほど整わなくなるものです。

変わることは大切だけれど、
“急いで変わろうとすること”は、ときに自分も周りも疲れさせてしまう気がします。

ヨガは、速くなる練習ではなく、
丁寧になる練習。

ポーズの完成よりも、
その過程でどんな呼吸をしているか。

そこに目を向けるだけで、
空気は静かに変わっていきます。


せっかちなままでもいい。でも、流されない。

せっかちなのは、真剣だから。

でも、そのまま反応するかどうかは選べる。

マットの上で呼吸に戻る練習は、
日常の中で“間”をつくる練習でもあります。

今日は、少し急いでいませんか。

もしそうなら、
いまこの一呼吸だけでも。

吸って、ゆっくり吐く。

それだけで、
自分の中の空気が、ほんの少し整います。