— 前屈が残していく、身体の感覚 —
ヨガをしていると、
つい比べてしまうことがあります。
前屈がどれくらい深くなったか。
前より、倒れるようになったか。
でも、
身体の変化は、
マットの上よりも、
日常の中でふと現れることのほうが多いものです。
前屈が深くなったか、よりも
靴下を履くとき。
床に落ちたものを拾うとき。
長く座ったあと、立ち上がるとき。
そんな何気ない動作の中で、
思わず感じる瞬間があります。
「あ、今日は楽だな」
「前より、スムーズだな」
それは、
柔らかくなったというより、
身体が自然に動いている感覚。
ヨガの変化は、
こうした場面に、静かに表れてきます。
前屈は、「倒れる動き」ではない
前屈というと、
前に倒れる、
深く折りたたむ、
そんな印象を持たれがちです。
でも本来の前屈は、
無理に伸ばす動きではありません。
背中や腰、脚のうしろ側。
日常でこわばりやすい場所を、
ゆるめて、ほどいていく時間です。
届くところまでで止まる。
それだけで、
身体の使い方は少しずつ整っていきます。
身体がほどけると、動きが変わる
前屈で背中がゆるんでくると、
日常の動きが変わってきます。
・立ち上がるときに、勢いを使わなくなる
・腰や背中を、かばわなくなる
・呼吸を止めずに動けるようになる
派手ではありませんが、
確実に「違い」が積み重なっていきます。
ヨガの変化は、あとから気づく
ヨガをした直後は、
大きな変化を感じない日もあります。
でも、
数日後の生活の中で、
ふと気づくことがあります。
「最近、前ほどつらくないな」
「いつの間にか、楽になっているな」
ヨガの変化は、
その場で完結せず、あとから残るものです。
まずは、楽に動ける。それでいい
ヨガは、
できることを増やすためだけのものではありません。
今の身体を、
少し自然に動かせるようにする時間。
前屈が深くならなくてもいい。
ポーズがきれいに見えなくてもいい。
日常の中で、
「あ、違うな」と感じられたなら、
それだけで十分です。


