― 支える土台の話 ―
「もう少し痩せたいんです」
「身体が硬くて…」
「前より動かなくなった気がして」
そんな声を、よく耳にします。
安定したい、と言って来る方はあまりいません。
でも、もしかすると、
その奥にあるのは“安心して動きたい”という感覚なのかもしれません。
痩せることも、
柔らかくなることも、
土台が少し整うだけで、
ずいぶん様子が変わってくるように思います。
柔らかくなりたいのに、
腰ばかりががんばってしまう。
お腹を引き締めたいのに、
首や肩が先に疲れてしまう。
それは弱いからではなく、
どこか一部に支えが偏っているだけなのかもしれません。
支える、というのは
強く踏ん張ることではなくて、
足の裏がちゃんと床を感じていることや、
骨盤が無理なく立っていること、
呼吸が途中で止まらないこと。
そんな、とても地味な感覚です。
でも、そこが少し整うだけで、
身体は思っている以上に協力してくれるようになります。
不思議ですが、
土台が落ち着くと、
余計な力が少し抜けます。
力が抜けると、
めぐりも自然に戻ってきます。
そうすると結果として、
引き締まったり、動きやすくなったりすることもある。
順番は、もしかすると
そこなのかもしれません。
支える、というのは
目立たない感覚です。
でも、整っていると、
動きがどこか素直になります。
呼吸が深くなって、
「あ、これでいいのかもしれない」
そんな静かな感覚が、
あとに残ることがあります。

