ない方ではなく、ある方を見る

Off the Mat|日常へ

― 足りなさより、すでに在るものへ ―

気づくと、私たちは「足りない方」を見ています。

もっと柔らかくなりたいとか、
もっと時間がほしいとか、
もう少しうまくやれたはずとか。

ないものを数えはじめると、
なんとなく気持ちまで足りなくなっていきます。

でも実際には、今日も呼吸はできているし、
身体はここにあって、歩けて、感じられて、
こうして文章を読んだり書いたりもできています。

ちゃんと、ある。

それでも私たちは、
なぜか“ない方”を探すのが上手です。


足りない目線は、終わりがない

柔軟性がつけば次は強さ、
強さがつけば次は安定感。

どこまでいっても「まだ足りない」は続きます。

向上心があるのは悪いことではありません。
でも足りなさだけを見続けていると、
今の自分はいつも減点対象になってしまいます。


ある方を見る、という選び方

ヨガの時間でも、思うように動けない日はあります。

でもその日なりに、
呼吸が落ち着いていたり、
足裏の感覚がいつもよりはっきりしていたり、
終わったあと少し静かになっていたりする。

そういうことも、ちゃんとあります。

ある方を見るのは、
自分を甘やかすことではありません。

今の自分にも、できていることがあると認めること。

それだけで、
少し余裕が生まれます。


ない方を見る癖に気づいたら

「今日もダメだったな」と思ったときは、
そのまま落ち込む前に、ひとつだけ聞いてみる。

ほかに、できていることはないか。

マットに立ったこと。
忙しい中で時間を作ったこと。
呼吸を思い出したこと。

小さなことで十分です。


満たそうとしなくていいし、
無理に前向きになる必要もありません。

ない方を見てしまう日があってもいい。
でも、ある方も一度くらい見てみる。

今日はひとつでいいので、
「ちゃんとあるもの」に目を向けてみる。

それくらいが、ちょうどいい気がします。